沖縄基地の、いま。星野さんの、いま。
鳩山政権が決断ができず、とりあえず「普天間基地移設」問題は先送りされました。いよいよ焦点は、1月24日に投票日を迎える名護市長選挙に移ったかに見えます。
先日12月14日に「沖縄から基地をなくせ!兵庫県集会」で講演されたヘリ基地反対協代表委員の安次富浩さんは、「移設ではない。閉鎖だ」と明快に問題点を指摘しました。市街地のど真ん中にある米軍基地・海兵隊の戦闘機やヘリコプターの演習による爆音、沖縄国際大学における墜落事故に見られるように、普天間の街の現状は深刻な人権問題となっています。安次富さんは、エクアドルのマンタ基地の撤去やフィリッピンの例を示しながら、「基地を撤去する条件として代替え地を提案した国がありますか」と訴えかけました。日本を超える駐留米軍を抱えるドイツでさえ、日本の「おもいやり予算」の10分の1しか負担していません。日本はこれまで、米軍支援に30年間で5兆3千億円も国民の税金を投入しています。こんなうまい話しを米軍が手放そうとしないのは当然です。どこに日本という国の「主体性」はあるのでしょうか、と安次富さんは話しました。
「本来、基地を閉鎖することが問題なのであり、悲惨な現状はアメリカ政府も認めているのだから、鳩山政権は基地の閉鎖を要求すればいい。なにを躊躇する必要があろうか」と、明快に方向を示しました。
同時に、ジュゴンやアジサシなどいくつもの辺野古の自然の写真を示しながら、平和とは、環境を守ることでもあるのだと指摘された上で、つい先日、大浦湾で環境団体が行った調査で36種ものエビやカニの新種が発見されたのに、「環境アセスメント」の名のもとに3年もかけて行われた防衛施設局の調査では報告されず、明らかに隠されていると安次富さんは糾弾しました。
11月8日、宜野湾市で開かれた県民大会(右写真)が、2万1千人の結集のもとに「普天間基地の国外移設」「辺野古新基地建設反対」を「基地撤去」の願いを込めて決議したことを報告し、「神戸で、こういう平和の問題で2万1千人も集められますか」と私たちに問いかけました。
いまも獄中にある星野文昭さん。彼の不屈の闘いは、この沖縄の皆さんの、いまも闘い抜かれている米軍基地撤去の願いと一つです。1971年11月14日、星野さんは「基地つき沖縄返還協定」に反対する多くの労働者、学生とともに敢然と決起しました。それゆえに、国家権力によって、沖縄闘争へのみせしめとして冤罪事件をでっち上げられ、殺人罪の汚名を着せられ35年の長きにわたる獄中生活を強いられています。しかし、星野さんは、そうした弾圧に屈することなく、いまなお沖縄の皆さんの願いに応え、「基地撤去、日米安保体制打倒」を獄中から叫び続けています。
沖縄闘争の新たな高揚を沖縄の皆さんとともに作り上げる中で、獄中35年の星野文昭さんを一日も早く奪い返し、再審・無実を実現しましょう。ここにこそ勝利の道が。
(「兵庫・星野さんを救う会ニュース」第22号より転載。「ニュース」は今日皆さんのところに発送させていただきます。最初の星野文昭さんの絵は、2004年「冬を暖める野菜たち」です。)
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投稿: 田中洌 | 2010年1月 8日 (金) 13時43分