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「砂上の同盟」 米軍再編が明かすウソ

Photo  先日、社民党の服部良一さんの後援会で、沖縄タイムスの論説委員をしておられる屋良朝博さんの米軍再編についての講演があるというので聞きに行きました。

 スライドを交え、07年から08年、一年間休職してハワイ留学の中で取材してこられたことを柱にしたお話に、太平洋に展開するアメリカ軍の全体像などまったく無知に等しかった私にとっては、「目から鱗」の印象でした。

 かってよく「キーストーン(要め石)」と言われた沖縄に在日米軍の75%が駐留しているのは、なぜか。「戦略の拠点」と言われてきたことは・・・。そこに置かれていた本「砂上の同盟」(左写真)を思わず買い求め読みました。おもしろかったですよ。ごく一部をご紹介して、ぜひ、皆さんが読まれることをお勧めします。

「2004年11月、元太平洋海兵隊司令官のヘンリー・スタックボール中将(退役)に、インタビューした。(中略)私は『なぜ沖縄か』と質問した。スタックボール氏は率直に答えてくれた。『日本本土にアメリカ海兵隊を歓迎する県がありますか・・・、ありませんね。軍部の意志ではありません。すべては政治なんですよ』。」(同書 75ページ~76ページ)

 「海兵隊の最初の駐留地が岐阜(各務原)と山梨(北富士演習場)だったのは、朝鮮戦争で韓国に配備された米軍部隊をバックアップするためだ」(同書 84ページ)のだが、1956年沖縄にその第3師団1万61千人が移駐しました。09124 その理由は、1950年代初めに各地で起こった内灘闘争、浅間山の演習場反対闘争、妙義山接収計画反対闘争、砂川基地闘争、そして何より北富士演習阻止の忍草農民の闘いなどがあって追い出されたというのが事実ではないかと屋良さん(右写真)は指摘されています。

 「ハワイのヒッカム空軍基地のオペレーションプログラムオフィサー(作戦担当将校)から軍隊と地上基地の関係を教わった。」(中略)「もちろん、フィリッピンに基地を置けば第13航空団が作戦エリアとしている地域に近く、グアムを拠点とするよりもランニングコストは安い。しかし、フィリッピンを失ったからといって機能不全に陥るわけではなく、アジアにおける軍事バランスに変化が生じた形跡もない。せっかくなので、沖縄について質問してみた。『極東最大という形容詞が使われる空軍嘉手納基地が沖縄にありますが、そこの軍用機にしても空中給油機などを使えば、グアムへ移しても、十分に現在の任務を継続できるということですね』 答えは、やはり『イエス』だった。 『基地の配置がどうであれ、目的を達成できるよう部隊運用を組み立てる。そこに何ら問題は生じない』 エリート将校は釘を刺すことも忘れなかった。 『新たな機能を追加するということは人員と機材が必要となり、大きな予算を伴う。日本政府が嘉手納基地から航空機をグアムに移転してくれなんて要求を出さないように祈っている』」(同書 227ページ~230ページ)

「砂上の同盟 -米軍再編が明かすウソ-」 屋良朝博著 2009年7月10日 沖縄タイムス社出版  1200円(税別)

 ぜひ、一度お読みください。星野文昭さんを取り戻す闘いにとって、沖縄闘争、米軍再編反対闘争の高揚は大きな支えとなり、勝利の展望をこじ開けることは確実です。「闘う相手を知る」点でも、一読に値する書物だと思います。

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