千里の道
陸軍中野学校出身で九十歳になられる渡部冨美男さんは、ご自身の中国での戦争体験と捕虜時代のご自分を語ることを通して、戦争の残酷さ、愚かさを語りつたえ、反戦平和を訴え続けておられます。5月31日、その渡部さんを「囲む会」に、非常に短い時間でしたが、お邪魔してお話しをうかがうことができました。
渡部さんは耳が遠くなられていて、通訳が必要なほどでしたが、理路整然とお話しをされ、何よりも強い反戦への思いに圧倒されそうでした。実際に兵士として戦争を体験した人の語る具体的なお話しからは、心の奥底まで沁みとおるように「戦争は嫌だ」という気持ちが伝わって来ます。過去の戦争をただ語られるのではなく、「現在も戦前と同じだ。イラクに行っているではないか」と語気を強め語られるご様子に、大きな感銘を受けました。
私は、「反戦平和」というと星野文昭さんのことを思わずにはいられません。
星野さんは小学生の時、原爆の被害者たちの写真を見て、戦争を絶対許してはならないという気持ちを持たれたそうです。大学生になって、星野さんの思いは三里塚軍事空港反対や沖縄返還協定反対闘争となって、具現化して行きます。そして、その闘争のさなかで冤罪をかけられました。
星野さんを取り戻す運動は、反戦平和を求める運動でもあるのではないかと、私は思っています。星野さんが獄中33年間非転向を貫くのは、星野さんの沖縄や反戦への強い思いがあるからです。九十歳にしても今なお戦争の語り部として反戦平和を訴える渡部さんにも、星野さんにも、同じ強い思いがある事を感じました。
「千里の道」は渡部さんが自費出版された戦争体験やお気持ちを描かれた本です。
最初の絵は、文昭さんの作品 「実りのテラスから、北の大地を眺む」 です(「Fumi Akiko 詩画集」より)。
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