« 文昭さんへの面会 | トップページ | 「心をひらく会」で »

5月のカレンダー

Photo_2

   アカバナーの手紙(たより)

まだ見ぬ  沖縄(ウチナー)の海を  描く

あなたの  元に

アカバナーの  手紙(たより)が  届く

手紙(たより)は  海を越え

厚い鉄格子の  とびらを開けさせ

房の中の  あなたに届く

あなたは  知っているだろう

十二万の  沖縄(ウチナー)の人々が

今  いっせいに声をあげ

死者たちの  怒りを

ヤマトに  向かって  届けたことを

  「日本軍が  自決を  命じた」

ふりしぼる声が  そう言った時

私には  確かに  聞こえました

  「地の底の骨は

  家族に  会いたがって  いましたよ」

  「誰が  骨を  拾いに行きましたか」

六十年を  引き裂かれた  苦しみで

生きた  深い  沈黙は

この日  怒りに  変わった

あなたは  知っているだろう

沈黙の先には  あの戦争が  あった

そして  その先には

たちはだかる  基地があった

あなたが  そこに  手をかけた時

牙を  むきだしにした

ヤマトの姿が  あった

地の底の  あの戦争と

あなたが  闘った七十年

そして今

ひとつながりの  歴史の中で

消し去られる  汚れた  歴史こそ

我々のものだと

叫ぶ  人  人  人

  (2007・9・29 沖縄県民大会)

「文昭(絵)・暁子(詩) 2008年カレンダー」5月より

絵は 「桜咲く季節を迎えた米沢」

|

« 文昭さんへの面会 | トップページ | 「心をひらく会」で »

文昭・暁子お二人の詩画」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。